オバマ大統領の2022年の夏のおすすめ本

オバマ元大統領、2022年上半期の読書リストを発表

 2022年の7月の終わり、すっかり毎年恒例になったオバマ元大統領の「今年はこんな本読んだよリスト」が公開されました。ここ数年、オバマさんは夏と年末の年二回、ご自身が読んだ本から何冊か選んで我々に公開してくれています。

オバマ大統領のTwitterより
「今年も素晴らしい本を読んでいるよ、気に入った何冊かをシェアするね」

 毎回毎回、大変興味深い選出です。ちょっと数が多いんじゃないかと思うんですが、苦心して選んだのがよくわかります。どこが苦しいかは後述しますが・・・オバマさんも大変ですね、ほんと。
 ほとんどが2022年刊行の新しい本で日本語版が出ていませんが、オバマが選んだ本は本当によく売れるので、日本語版が出る可能性大です。洋書でも和書でも、是非チェックしてみて下さい。
 それでは、一冊ずつ簡単に解説・紹介していきます。

1) 『Sea of Tranquility』(エミリー・セントジョン・マンデル)

 エミリー・セントジョン・マンデル(Emily St. John Mandel)は、アメリカを拠点とするカナダ人作家。元ダンサーのおきれいな方で、眺めてもよし読んでもよしな作家さん。HBO Maxでドラマ化もされ日本でも翻訳出版されている長編四作目の『Station Eleven(ステーション・イレブン) 』でブレイクし、すっかり英語圏でベストセラー作家の域に達した感のある方。『Station Eleven』は2014年刊行なんだけど、パンデミックを扱った文明崩壊モノの文芸作品だったため、コロナ禍で再評価されヒットしたという、この方もパンデミックで棚ぼたなおひとり。
 しかし、彼女どの作品も「こういう作品」と説明するのが難しい作風で、読んでみて下さいとしか言えないのがツライ。作家本人も新刊プロモーションのインタビュー等で、本の内容を紹介する難しさに苦笑していた。それだけオリジナリティのあるエミリー・セントジョン・マンデル・ワールドが繰り広げられているということですかね。
 今回オバマのおすすめリストに入った『Sea of Tranquility』は、2022年4月発刊の長編6作目。出版されたてほやほやで読んだんですね、オバマさん。尚、彼女の前作『The Glass Hotel』もオバマ大統領は2020年のおすすめ本リストに入れている。気に入られましたね。今作は、20世紀から25世紀までを舞台とする時空をまたいだタイムトラベルもの・・・しかしSFかというとちょっと趣が違うし・・・というやはり説明できないエミリ・セントジョン・マンデル小説になっている。

2)『Why We’re Polarized』(エズラ・クライン)

 著者のエズラ・クラインは、ワシントン・ポスト紙からキャリアを始め、政治解説系サイト「Vox」を立ち上げて成功、そうして成り上がった後にニューヨーク・タイムズ紙に引き抜かれ、コラムやらポッドキャストやらでいまやすっかり同紙の顔の一人と言った感じになったジャーナリスト。地方球団生え抜きだったのにあっさり読売巨人軍に魂を売った野球選手みたい。でもジャーナリストならNYタイムズに来いと言われたら行きたいよね、わかるよ。
 オバマさんに選ばれた本書は、そんなエズラ・クラインの2022年月発行のノンフィクション。タイトルを直訳すると「我々はなぜ二極化しているのか」で、そのタイトル通り、現在危険なレベルのカルチャー・ウォー状態にあるアメリカの保守とリベラルの極端な対立の構造や原因、歴史を分析・考察した一冊。ニュース解説サイトで成り上がった著者らしく、あまり小難しさは無く読みやすい。長さも300ページ弱とコンパクトな一冊。ビル・ゲイツさんもこの本を2022年夏のおすすめ本に挙げています。オバマとゲイツは結構おすすめ本がかぶりますね。気候変動とか国内の分断とか、懸念材料が似てるんでしょう。

3)『The Candy House』(ジェニファー・イーガン)

 アメリカ人作家ジェニファー・イーガン(Jennifer Egan)の2022年4月刊行の小説。イーガンは、2010年刊行の4作目の長編小説『A Visit from the Goon Squad(ならずものがやってくる)』でピューリッツァー賞を受賞し高く評価されている作家。
 オバマがおすすめリストに選んだ本作は彼女の長編6作目。人間の全記憶を保存しておけて好きなだけそのデータにアクセスできて他人にシェアすることもできるという「マンダラ・キューブ」なる媒体が発明され、そのテクノロジーをめぐるエピソードが多くの登場人物のそれぞれの立場から語られる・・・という感じの文芸小説。読んだ人の多くが「どういう本か説明が難しい」「テクノロジーに関して考えさせれる」「登場人物が多くて相関がこんがらかってくる」「うまく言えないけどすごい本」と歯に何かがはさまったようなもどかしい感想を述べておられる一冊。

4)『A Little Devil in America: In Praise of Black Performance』(ハニフ・アブドゥラキブ)

 オバマさんのおすすめリストって、「おいおいどうやってこの本にめぐりあったんだよ」というような無名というか超マイナーな作家(たいていマイノリティ人種)による本が毎回毎回入っていて、まるで目立たない推しを自分のおすすめリストに入れてすくい上げているかのような感じなんだけど、今回はこれがその枠かな。アメリカ人の、エッセイスト、ライターのハニフ・アブドゥラキブ(Hanif Abdurraqib)による2021年のエッセイ集です。アブドゥラキブ自身は、過去に詩集やエッセイ集を5冊刊行し、メジャーな雑誌にも数々の記事を寄稿し、2021年にはマッカーサー財団の天才助成金の授与者に選ばれたりもしている実力派の書き手ではあるんだけど、正直「知る人ぞ知る」レベルで、「これからの人」という感じ。まあ、はっきり言ってあんまり知られていません。
ビヨンセのスーパーボウルのパフォーマンスなんかも取り上げられている

 この本は、著者の得意分野である音楽を中心に、黒人アーティストによる様々なアイコニックなパフォーマンスを通して、アメリカという国や文化、黒人としての自分の人生なんかを見つめているような感じ。メモワール+文化評論本。

5)『To Paradise』(ハニヤ・ヤナギハラ)

 ハニヤ・ヤナギハラ(Hanya Yanagihara)さん・・・なんかここ数年、ものすごく勢いを感じる。お名前でわかる通り日系のアメリカ人作家、女性です。オバマが選んだ『To Paradise』は長編3作目。3作目にして「No1. NEW YORK TIMES BESTSELLER」の称号も手にしました。これまでは「National Bestseller」とか苦しい帯文みたいなのしか付けられなかったんですけど。これまでの3作どれも内容的に重く超シリアスで、本作と前作はとくに重量的にも重く、批評家にはウケても一般受けしなさそうなんですが、ネットでのレビュー数の多さなんかからもガンガン出てきてるのが感じられます。
図書館の棚より。ヤナギハラさん本の分厚さ・・・特に『To Pradise』は周囲の本2-3冊分ある。しかし、近くの『エドガー・ソーテル物語』もひどいのでいまいちレンガ感目立たず

 ニューヨーク・タイムズ紙の編集者を経て作家デビュー、というトニ・モリスンのコースをたどっているし、すごく大成しそうな方。もうしてるか。皆さん、注目ですよ、すごい才能です! 数年以内にでかい文学賞とって、大ブレイクするでしょう。
 日本では、デビュー作の『The People in the Trees(森の人々)』しかまだ翻訳出版されていませんが、前作『A Little Life』もこの『To Paradise』も出ると思います。同じ場所を中心に、同じ名前の人間が繰り広げるドラマが1893年、 1993年、2093年の3部に分かれて描かれる・・・いやあ、ほんといい本選んでくれるね、オバマ君!

6)『Silverview(シルバービュー荘にて)』(ジョン・ル・カレ)

 2020年末に惜しまれつつ他界したイギリスが誇るスパイ小説の大家、ジョン・ル・カレ(John le Carré)。『Silverview(シルバービュー荘にて)』は彼の死後、2021年の10月に刊行された幻の遺作。著者の死語、遺された未完成の原稿を著者の息子さんで作家のニック・コーンウェルが完成させ、出版に至っている。
 「短い」「ル・カレっぽくない」「尻切れとんぼ」というような否定的なレビューと、「いやこれでいい」「さすがル・カレだ」「死んでからじゃないと出せなかったのがわかる」というような肯定的な批評が混ぜ混ぜなのが興味深い。オバマは、大統領になる前、上院議員時代に自伝を出した時のインタビューで、「どんな本を読んでいるか」と聞かれた時も、「ジョン・ル・カレとか読みます、好きです。」と言っていたのを覚えている。なんかル・カレ全作読破していそう・・・。

7)『Black Cake』(シャーメイン・ウィルカーソン)

 カリブ系のバックグラウンドを持つアメリカ人女性作家、シャーメイン・ウィルカーソン(Charmaine Wilkerson)のデビュー小説。子ブッシュの娘さんのジェナ・ブッシュがNBCのモーニング・ショーでやっているブック・クラブがあるんだけど、そこで課題図書に取り上げられた。そうやって大々的にテレビで取り上げられたのが効いたのか、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーランキングで第二位に。無名の新人なのに快挙です。Huluでドラマ化も決定ですって。
 多文化家庭で育った作者のバックグラウンドが色濃く表れた本作は、母の死をきっかけに家族の秘密が明らかになっていく・・・という世代や国をまたいだ殺人ミステリーのテイストすらある家族のそしてアイデンティティーの物語。ジャンル分けが難しい小説ですね。

8)『The Family Chao』(ラン・サマンサ・チャン)

 アメリカ人作家ラン・サマンサ・チャン(Lan Samantha Chang)の2022年2月刊行の3作目の長編小説。いやー、ほんとにオバマさんよくこういうの見つけますよね。そこらへんの文芸批評家とかより読んでるんじゃないか。大統領時代の回顧録も書き終わっちゃったし、読書しかやることないのかな。この作家も、批評家には高く評価されているものの売れ筋とは言い難く、この作品もひっそりと刊行され、今のところ文学賞をとったりといった快挙も無く、オバマのおすすめリストに入って日の目を見たような小説です。
 作者のラン・サマンサ・チャンは、5)のヤナギハラさん同様、アジア系の移民二世ですね。チャンさんご自身は、多くの詩人や文芸作家を輩出していることで知られるアイオワ大学のライターズ・ワークショップのトップの指導者だったりするわけですが、この作品は純文学というより、文芸ミステリにジャンルされるような小説。中西部の小さな町の中華系移民家庭の出身というご自身のバックグランドまんまの設定の小説です。街で30年以上続く中華レストランの店主が殺された・・・彼の3人の息子のだれもが怪しい。真実やいかに? というような内容で、殺人ミステリ+家族の物語。なのに多くの人が「Funny」と形容している不思議な小説。

9)『Velvet Was the Night』(シルヴァ・モレノ・ガルシア)

 メキシコ系カナダ人作家、シルヴァ・モレノ・ガルシア(Silvia Moreno-Garcia)の2021年8月刊行の小説。シルヴァ・モレノ・ガルシアは、2020年刊行の『Mexican Gothic(メキシカン・ゴシック)』で、海外小説好き・ホラー小説好きなら、ああ彼女ね・・・あの人ね、となるレベルの売れっ子作家となった方。
 ホラー系、幻想文学系の文学賞を総ナメだったので、てっきりその路線で行くのかと思いきや、なんと今作はまったく別のジャンル、ノワール小説、歴史フィクションに挑んでいます。すごいな、こんなのも書けるとは。70年代のメキシコシティを舞台に消えた一人の女性の行方を追うことになった一組の男女の人生が交錯する。彼女の失踪の背後にある真実は、そして真実に近づく二人の命運やいかに!? というような小説。

10)『Mouth to Mouth』(アントワン・ウィルソン)

 これまた興味深い選出・・・またマイナー作家です。はっきり言って、これが初のメジャー・ヒット作でしょう。カナダ出身のアメリカ人作家アントワン・ウィルソン(Antoine Wilson)による2022年1月刊行の小説。
 この小説は、なんといっても短さが魅力です。200ページもいってません。中編小説(ノヴェラ)といってもいい長さ。英語のネイティブ・リーダーの多くが「One-sittingで読んじゃった」とレビューしています。あまりにミステリアスな小説なので、つい私も読んでしまった。もちろん私はten-sittingくらい費やしましたがね。
 なんというか、一文一文丁寧に書かれた長い短編小説のような感じで、どのジャンルと言いづらい。純文学テイストのスリラー? 大きな成功を手にしているとは言いがたい作家の「私」が空港で搭乗予定便の遅れを待っていると、大学時代の級友に20年ぶりにばったり再会する。見るからに経済的に成功を手に入れている感じのその級友は、ファーストクラスのラウンジに「私」を連れて行き、今まで誰にも話したことがないという身の上話を始めるのだが・・・。
 という感じで、彼の身の上話が小説の中心となり、聞き手の「私」が「こいつの長い話は一体どこに向かうんだよ?」と感じている居心地の悪さをそのままを読者も感じるはず。先へ先へと読ませる力はすごい。そして最後まで読んで「え?え?えー?」となる。人生や運命に関していろんなことを考えさせられ、そして読者の数だけ解釈が分かれそうな物語。

11)『The Great Experiment: Why Diverse Democracies Fall Apart and How They Can Endure』(ヤシャ・モンク)

  ドイツ出身のアメリカ人政治学者ヤシャ・モンク(Yascha Mounk)によるノンフィクション。ヤシャ・モンクは、『自己責任の時代』『民主主義を救え!』などの翻訳書が日本でも刊行されている国際的に注目されている若手学者。
 本作は、タイトルを直訳すると「偉大なる実験 なぜ多様性のある民主主義は崩壊するのか、いかにして崩壊を耐えるか」みたいな感じ? タイトル通り、他人種・多文化・多宗教の人々による民主主義の困難と希望を、歴史、社会心理学、比較政治学などの知識を踏まえて分析・考察している一冊。 若さゆえか本人の性格ゆえか、よくある学者さんの「このままじゃまずいよ!」という警鐘を鳴らしまくる深刻なだけの本ではなく、「こうしたらよくなるかも」という、どこかポジティブというか楽観的な提案が含まれているのが特徴らしい。

12)『The School for Good Mothers』(ジェサミン・チャン)

 中国系アメリカ人作家のジェサミン・チャン(Jessamine Chan)の2022年1月刊行のデビュー小説。デビュー作ながら、ビッグ5の一社サイモン&シュスターから刊行、7)の『Black Cake』で前述したジェナ・ブッシュのブッククラブの課題図書に選書され、話題作になっている。
 内容は、うすら寒い感じをもよおす不穏なディストピア小説・・・アトウッドの『侍女の物語』風な雰囲気?タイトル通り、「良い親」の枠から外れた親は子供から離されて矯正施設のような場所に送られ一定期間そこで教育を受けなくてはならない、という公的なシステムがある近未来が舞台で、作者のバックグラウンドが投影されたような中国系アメリカ人の母親が主人公。2013年のニューヨーカー誌の記事『Where is your mother?』をインスピレーションに書き上げた作品だそう。その記事に目を通してみたけれど、外国人のシングルマザーが生活苦から子供を家に置いたまま仕事に行ったのが福祉局にバレて、その後どんなに懸命に福祉局の言う通りに授業やセラピーを受けて状況を変えるために戦っても親権を取り戻すことができず、子供は養子縁組に出されて他人が親になってしまった、という本当に「今そこにある現実」という感じの記事内容でゾッとした。子供たちを健全な環境で育てるためのシステムなんだけど、何かどこかゆがんでいるし、アメリカで子育てをしたことがある外国人なら誰しも、頼る人がろくにいない中、この「厳しい監視」の目に疲弊した経験にうなずけるところがあると思う。
 早くもテレビドラマ化の権利が買われたそうで、近いうちに映像化もされそう。

13)『Razorblade Tears』(S・A・コスビー)

 アメリカ南部を舞台とした犯罪小説、サザン・ノワールの旗手的な作家S・A・コスビーによる2021年7月刊行の長編3作目の小説。コスビーの小説では、この小説の前に刊行した『Blacktop Wasteland(黒き荒野の果て)』が日本で翻訳刊行されている。そっちより今作の方が売れてるし、近いうちに日本語版は出るんじゃないかな。
 オバマが選んだこの『Razorblade Tears』は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーランキングにも入り、エドガー賞の長編小説最終候補作にも選ばれ、2021年から2022年にかけてのヒット作のひとつになった。映画化プロジェクトも進行中。
 同性愛差別、人種間不平等など、今どきの重い題材をぶっこんで来ているものの、すごく娯楽性の高い小説で、オヤジたちの復讐劇であり、友情物語であり、アクション満載だし、まさに映画のよう。
 2022年のエドガー賞を振り返る記事でも紹介しているので、よかったらそちらもご覧下さい。

14)『Blood in the Garden: The Flagrant History of the 1990s New York Knicks』(クリス・ヘリング)

 「バスケットボールファン向け」と前置きされたおまけのような一冊。バスケットボール大好きないかにもオバマさんな選書。
 スポーツ・イラストレイテッド誌の記者であり、スポーツジャーナリストとしてNBAを追って来たクリス・ヘリング(Chris Herring)による2022年1月刊行のノンフィクション。サブタイトルにある通り、90年代のニューヨーク・ニックスを題材にしている。NBAに関する知識はほぼ皆無なんだけど、ニックスって大都市ニューヨークが拠点の金満チームなのに、ここ最近は鳴かず飛ばずで低迷している・・・ということでいいですか? そんなチームに成り下がったニックスも、90年代はいろんな意味で怖いチームだった。いかにしてそんなおっかないチームが生まれ、そしてあっという間にその勢いを失ってしまったのか。優れたジャーナリストが事件を追うように、ニックスの90年代が劇的に再現されている本。

まとめ - 漂うトークニズム

 以上、オバマ元大統領による2022年上半期のおすすめ本リストから14冊をご紹介しました。
 いつもながら、オバマの興味が、経済・金融・科学の方面には薄く、あくまで家族や人間ドラマに偏っているのを感じます。そして溢れるような本への愛を感じますね。これも毎回言っていますが、オバマさん職業選択を間違えた? 学者とかジャーナリストになって自著をバンバン出した方が向いてたんじゃないか? もしかして、本出したくて大統領になった・・・?
 そして、これまたリストを追うようになって毎回気の毒に思う事ですが、リストにちょっと「トークニズム」を感じます。アメリカ映画とかテレビドラマとかリアリティTVとか、とくに映像媒体に顕著なアレです、
「全員白人だとまずいから、この主人公の友人役は黒人にしよう・・・あれ、アジア系がゼロになっちまうから、ここにはアジア系を使って・・・ん? なんか全員スレンダー体型の俳優ばっかだ! ぽっちゃりさんも入れるか? LGBTQ枠も作ったほうがウケるかな」
みたいなヤツです。建前上の数合わせ、というか。小説とか、本の世界だとそれほどあからさまじゃないんですけど、アメリカにいると特に映像媒体でそれを感じずにはいられません。ああ今回はこの人がアジア人枠ね~などといつも思ってしまいます。
 オバマのこのリストも、本当に一番気に入った本をみんなとシェアしている、というより多方面に気をつかっているのを感じます。いつも、白人、黒人、アジア系、ヒスパニック系、すべての人種をなんとなく公平に入れていて、わかりやすすぎるというか・・・。そういう「枠」をはずしたら、多分、真にみんなにすすめたい本のリストはまったく違うものになると思うんですよ。でも、それは出してくれないし、立場上出せない。多様性のある社会の実現を信じているマイノリティ人種の元大統領として、オバマのがんじがらめの苦しさがこんなリストにも出てしまっていて、気の毒になります。トランプみたいなキャラだったら、おすすめ本の作家が全員白人とかでも「まあ、トランプだから」で許されるんだけど。オバマは許されない。
 オバマさん・・・いろいろ大変そうだね・・・でも年末もおすすめ本リスト期待してる!! いっそ、「おすすめ本の本」出しちゃえ! 本、出したいでしょ? そうでしょ?

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